昨日、「国境を越えた文学、アジアを結ぶ映画」というシンポジウムに行ってきました。そこで上映されたのが「李朝残影」という韓国映画です。
シンサンオク監督の1967年作品。主演はオ・ヨンイルとムン・ヒ。
日帝時代末期に京城(現在のソウル)の女子高で美術を教えながら絵を描いている日本人・野口と美しい妓生との悲恋を描いた作品で、原作は梶山季之、脚本は松山善三。かなり昔に日本でテレビ放送されたもののビデオらしく、画像も音響もかなり悪い状態でした。でもめったに観られない作品を日本語字幕付きで観られたので、満足です。日本人同士で韓国語で会話する、ピーカン(晴天)の大雨など、突っ込みどころはありましたが、当時の様子など、なかなか興味深かったです。
余談ですが、ワキでイスンジェが出演してました。韓国ドラマでお馴染みのハラボジです(写真)。40年前とはいえ、面影はありました。最近、「ぼくせかちゅー」や「みんな大丈夫?」など、ちょこちょこ映画に出ていますが、長い間ドラマで活躍して来た彼、調べてみると1960年代後半から1970年代にかけてかなり多くの映画に出演していました。オールドコリアンムービーには詳しくないので、出演している役者たちもほとんど知らない人ばかり。そんな中で知ってる人がいて、ちょと嬉しかったわ。
シンポジウムのほうは、思ったよりアカデミックで、梶山季之のことを良く知らない私には少々きつかったです。篠田正浩監督の、ベルリンでシンサンオク監督がアメリカ大使館に駆け込む直前に会った話は、「闇からの谺」に書いてあった以上のものじゃなかったし(お2人はその前から親しかった訳でもその後に親密になった訳でもないらしい)。