シネマートシネフェスが始まるので、リビューがまだの作品を取り上げますね。で、リビューその175はシネフェスでオープニング上映される「私たちの幸せな時間」です。先日ソウルで観てきたのですが、字幕なしでの鑑賞なのでこれもドラフトです。
私たちの幸せな時間
2006年作品
監督:ソン・へソン
出演:カン・ドンウォン、イ・ナヨン
【ストーリー】生きる意義を見出せずに度々自殺未遂事件を起こしているユジョン(イナヨン)は、精神科での治療を拒否して逃げ出すが、親しくしている叔母(ユンヨンジョン)から、治療の代わりに死刑囚と週に1回会って話をするボランティアをするように言われる。しぶしぶ叔母とともに訪ねた刑務所で会ったその男ユンス(カンドンウォン)は3人もの人を殺して死刑判決を受けていた。だれにも心を開かないユンスは、彼女たちに対しても初めは反発していたが、段々とユジョンだけには心を開いていくのだった。
【感想】「バイラン」のソンヘソン監督らしく、落ち着いたトーンの映像でぐぐっと泣かせます。ユジョンとユンスが、心に傷を持つ者同士、身の上話をするうちに癒されて、他の人にも段々と心を開いていくようになる過程がしっとりと描かれています。カンドンウォンは演技が上手くなりましたねぇ。イナヨンともに目力があり、セリフに頼らずに目で感情を表現しているところがすごいと思いました。ユンヨンジュンやカンシニル、チャンヒョンソンなどワキを固める役者たちも達者な演技を見せてくれます。ラストの絞首台のシーンはドラマチックで一番の泣かせ所で、ソウルでは女性客の鼻をすする音があちこちから聞こえてくるほどだったのですが、私は少々やりすぎのように感じました。私だったらあの写真だけで十分だと思うなぁ。字幕ナシで、ユジョンがああなった背景がイマイチわからなかったせいか、あまり泣けなかったので、今度はぜひ字幕付きで鑑賞してハンカチをたっぷり濡らしてみたいです。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆