アクターズマスタークラス(AMC)竹中直人編
AMC2日目は「Shall we dance?」や「ウォーターボーイズ」で韓国でも有名の個性派俳優、竹中直人です。
まずは課題の「サヨナラColor」を鑑賞。竹中直人が監督・主演した2004年の作品で、お相手は原田知世。鎌倉で外科医をする主人公のもとに子宮ガンで入院した患者が昔のあこがれの人だったことから起こる物語を淡々と描いています。忌野清志郎、中島みゆき、久世光彦、高野寛といったカメオ出演も楽しかった作品でした。
続いては講義。コーディネーターのキムヘリ(シネ21記者)からのインタビューに答えるという形で、おとなしくて人付き合いが苦手だった子供時代の話から、高校の美術部で8ミリカメラを持ってから映画の魅力にはまり、劇団で活動するうちにコメディアンとしてデビューすることになったくだり、出演した作品やその監督のこと、監督した作品のことなど、演技論というよりは、彼の映画人生について語ってくれました。本当に本当に映画が好きであることが伝わってきました。印象的だったのはその演技スタイル。キャラクター分析や役の作り込みはほとんどせずその場の雰囲気で演技をする、台本はほとんど読まないというスタイルはチェミンシクとは対照的。これもまたよほどの才能がないと出来ないことでしょう。
質疑応答に移り、韓国映画が好きだと言ってたので、どんな作品のどこが好きかとそこから受けた影響について質問をしました。以下がその答え(映画祭HPのレポートを一部加筆)。
・・・キムキドク監督の「悪い男」や「春夏秋冬そして春」を見てその色彩に魅かれました。「オアシス」ではソル・ギョングさんが刑務所に出て豆腐食べる顔表情がすばらしかった。ポンジュノ監督の <殺人の追憶>は残酷なように哀愁に満ちていて、映画タイトルも素晴らしいと思います。ソンガンホさんの表情もよかった。「吠える犬は噛まない」では黄色のカッパを着たドゥナちゃんがかわいかった。その他の韓国映画も沢山見ながら学ぶというよりはすごいと感じています。・・・
衣装は目立つド派手なスーツ、しばしば観客を笑わせる行動を取るなど、サービス精神が旺盛で、私も彼の話を十分堪能しました。
2日間のマスタークラスを終えて、韓国映画がいっそう好きになりました。
(人名の敬称は略しました)