帰国してからちょっとメジャーな作品のリビューが続いたので、136本目は思いっきりマイナーな作品にしました。日本での公開は・・・ありえないでしょうねぇ。
孤独がもがく時
2004年作品
監督:イ・スイン
出演:チュ・ヒョン、ソン・ジェホ、ヤン・テクチョ、
キム・ムセン、ソヌ・ヨンニョ、チン・ヒギョン
【ストーリー】とある田舎の村に60代の上品で美しい女性(ソヌヨンニョ)が降り立つ。喧嘩をしていたダチョウ牧場経営者のジュンダル(チュヒョン)と隣人のジンボン(キムムセン)、喧嘩の仲裁をしていたジュンボムの弟のジュンボム(パクヨンギュ)やピルグク(ソンジェホ)、チャンギョン(ヤンテクチョ)らは思わず喧嘩を中断して彼女に見惚れる。その女性インジュはスナ(チンヒギョン)の営む民宿兼食堂に滞在することになる。ジュンダルは弟ジュンボムに嫁もらわないと死んだ母親に申し訳がたたないと見合いひっきりなしに勧めるが、本人はまるでやる気がない。一方スナはジュンボムのことを慕っており、漁に出る際にお弁当を作るなど色々と世話を焼いている。
【感想】英題「Sweet Sixties」が示すように60代のベテラン役者達ががんばっているコメディです。本作をより楽しむには事前に韓国映画やドラマで彼らの演技を見ておくことをおすすめします。だって本作では彼らのイメージを裏切るキャラを演じていて、そこが笑いのツボだから。不器用で無口なイメージのチュヒョンはやかましいオヤジ役で声を裏返してがなりたててるし、「アタックザガスステーション」や「オーブラザース」などで卓越したコメディ演技を披露してきたパクヨンギュは内気な男やもめを、大企業の会長など重厚な役が多かった故キムムセンはどうしょうもなく偏屈なオヤジを演じています。おキャンなチンヒギョン(「銀杏のベッド」のミダン姫)も新鮮。ヤンテクジョはくりくりパーマのかつらをかぶってます。イセヨンとイジェウンという名子役2人も加わってドタバタが繰り広げられます。ストーリーは、後半にジュンボムのカミングアウトというどんでん返しはあるものの、思ったより平坦に進みます。話が総花的で各エピソードの掘り下げがイマイチ足りない気がするし、最後はあらあらって感じです。まあ、話の筋に飛躍があっても、それはそれで笑えるからよしとしましょう。韓国映画やドラマを沢山みている人にとっては、彼らの演技を堪能するいい機会になるでしょう。それにしても、さすがベテラン、みんな演技の幅が広いわ。
【なあご的おすすめ度】 ★★