「青燕」でチャンジニョンの話題が出ましたので、リビューの52本目は「鳥肌」にします。
鳥肌
2001年作品
監督:ユン・ジョンチャン
出演:キム・ミョンミン、チャン・ジニョン
【ストーリー】タクシー運転手のヨンヒョン(キムミョンミン)は、ある古いアパートに引っ越してくる。同じフロアには夫の暴力に苦しむ人妻のソニョン(チャン・ジニョン)や売れない小説家のイ(ギジュボン)、死んた恋人グァンテが忘れられないピアノ教師ウンス(チョアン)など一癖ある住人達が住んでいた。雨の日にトラックに泥水をはねられたソニョンを車に乗せたことがきっかけでヨンヒョンは彼女と会話をかわすようになる。ある日ヨンヒョンはアパートの廊下で血まみれのソニョン(に出くわす。暴力を振るう夫をあやまって殺してしまったというソニョンを助けて夫の死体を裏山に埋め、それがきっかけでヨンヒョンはソニョンと肉体関係を持つようになる。
【感想】ホラー&バイオレンス嫌いの私がこの作品を観たのは、ひとえにこの作品で青龍賞の主演女優賞を取ったチャンジニョンの演技が見たかったため。明るく溌剌とした役を演じてきた彼女がこの作品では生活に疲れ夫の暴力に苦しむ人妻をリアリティたっぷりに演じています。あまりのイメチェンにびっくりです。さすが青龍賞を取っただけのことはあります。タクシー運転手を演じたキムミョンミンを私は初めて見たのですが、その抑えた演技がとても印象的でした。彼の他の作品も見たいですね。うさんくさい小説家役のキジュボンもいいです。ソウルの場末にあるという設定のボロアパートは暗くておどろおどろしく、いかにも何かありそうな感じです。血がピューっと飛んだり、見るも無残な死体が出てきたりといったグロいシーンがまったくないのに、あのアパートの雰囲気だけでも十分コワい。サスペンスの謎解きがいまいちクリアじゃないんですよね。なんかすっきりしません。でも見直すには怖すぎて・・・(笑)。そんな作品です。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆