リビューその225はプチョン国際ファンタスティック映画祭で観てきた「失踪」です。主演のムンソングンの舞台挨拶がドタキャンになっていてとっても残念でした。韓国では今年3月に公開されました。
失踪
2009年作品
監督:キム・ソンホン
出演:ムン・ソングン、チュ・ジャヒョン
【ストーリー】ヒョンジュン(チュジャヒョン)とヒョンア(チョンセホン)は仲の良い姉妹。ある時ヒョンアからの連絡が1週間以上も途絶え、心配したヒョンジュンは妹を探しにある村にやって来る。最後の携帯電話で「これからサムゲタンを食べる」と言っていた妹の話を頼りにある農家を訪ねたヒョンジュンは、そこの主人パンゴン(ムンソングン)に得体の知れない感じを持つ。地元警察でそのことを話すが、警察はパンゴンは妻に去られた後に病気の母親を1人で世話する普通の男だと言う。ヒョンジュンはそんな警察を説得してパンゴンの家を一緒に訪ねるが、妹の手がかりは見つからなかった。あきらめて村を去ろうとした彼女は偶然パンゴンと出くわす。パンゴンはヒョンアがハートのペンダントをしていなかったかと思わせぶりに話し、ヒョンジュンはそれを確かめるために再び彼の家に向かう。
【感想】残念ながら韓国ではヒットしませんでしたが、ホラーとしてはいい出来だと思います。最近のホラーは目を背けたくなるような残酷なシーンがテンコ盛りで辟易してしまうのですが、この作品は、肝心なところをあえて見せずに間接的に表現しています。つまり観客のイマジネーションに委ねている訳です。それでも十分に怖い。そしてグロくてエグい。さすが「オルガミ」「セイイエス」など数々のホラーを手がけてきたキムソンホンです。ストーリー展開もしっかりしていて途中でダレることはありません。そして何といっても殺人鬼役のムンソングンの演技が素晴らしい。猟奇的殺人者をここまで憎々しく演じられるのは彼だからこそ。彼の演技を見るだけでもこの作品を鑑賞する価値があります。でも私みたいにホラーが苦手な人にとっては、相当の覚悟が必要です。
【なあご的おすすめ度】 ★★★