リビュー223本目は「たちまわLee」です。もともとは2000年に公開された35分のインターネット映画で、当時129万ヒットを記録。その時に主人公たちまわLeeを演じていたイムウォニが引き続き主演しています。
たちまわLee
2008年作品
監督:リュ・スンワン
出演:イム・ウォニ、コン・ヒョジン
【ストーリー】日帝時代の1942年、韓国人諜報員名簿を隠した金の仏像が紛失し、その行方を追っていた女性諜報員ヨンジャ(コンヒョジン)も日本で姿を消す。頭を抱えた臨時政府は、秘密兵器を投入することにする。それは“たちまわLee”と呼ばれる諜報員(イムウォニ)だ。任務は速やかに遂行し、姿を知るものはごくわずか。悪を憎む熱い男、たちまわLee。彼は新しいパートナーのマリ(パクシヨン)とともに仏像の行方を追って満州に向かう。仏像を確保していた諜報員の元を訪ねた2人は、タッチの差で仏像が謎の中国人に奪われたことを知る。たちまわLeeは単身そのアジトに乗り込む。
【感想】確信犯的“なんちゃって”の映画です。突っ込みどころ満載でしかもナンセンス!全編にちりばめられているこれらの突込みどころを笑えるかがこの作品の感想を左右するのですが、私はかなり楽しめました。特に登場する日本人のあまりの“なんちゃってさ”に爆笑。なんで下駄の上に地下足袋履いてるんだ!あの和服の着方はなんだ!喋ってる日本語がわからん!(ちなみに英語も中国語も字幕なしではほとんどわかりません)などなど、日本人だからこそ突っ込めるので余計楽しい。これらの“なんちゃって”が実はすごく計算されていてうまいなぁと感じました。お下劣ネタはちょっと行き過ぎだけどね。アクションシーンはさすがリュスンワン監督&チョンドゥホン武術監督コンビって感じです。アクションにキレがあるし雪山の滑走シーンもなかなかよく撮れていて、長いシーンもそれほど長く感じません。主演のイムウォニはくどい男をコテコテに演じています。彼以外にたちまわリーを演じられる役者はいません!他の役者たちも監督の意図をよく理解して、ぶっとんだキャラを濃く演じています。演技派のイジョンホンやチョドッキョンに何させるの!(2人は日本人の悪代官と悪徳軍人)って、突っ込んじゃいました。この作品、全体的にマニアックすぎて万人ウケするとは思えませが、その笑いはアメリカンコメディよりも私にはしっくり来ました。
【なあご的おすすめ度】 ★★★☆