帰国してはや2週間。まだ時差ボケも治らないんですが、1月3日~8日にソウルに行ってきました。まずは覚書的に見てきた作品をリストアップしますね。
韓国映画はこの時期、上映されている作品数が少なかったです。「美人図」も「4曜日」も「1724妓生置屋襲撃事件」も「純情漫画」も「アンティーク」ももう上映終了でした。だから観られたのは以下の9本のみ。字幕ナシでの鑑賞なのでちゃんとしたリビューじゃなく、感想をちょこっとだけ書きますね。
「ロマンチック・アイランド」 ★★
これはフツーです。3組のカップルのフィリピンのボラカイ島でのバカンスを描いています。3組の話がほとんど重ならない、オムニバスのような作品になっています。ボラカイ島の景色は美しいですが、ストーリー展開、映像、演出ともにオーソドックスで新鮮味なし。8年前にボラカイでダイビングのライセンスを取った時に泊ったホテルが出てきて、個人的には懐かしかったけどね。
「オーバースピード・スキャンダル」 ★★★
だれでにもお勧めできるハートウォーミング・ストーリー。チャテヒョンは、もとアイドル歌手で今はラジオの人気DJというぴったりの役。相変わらずいい味だしてます。彼に付きまとう女性を演じたパクボヨンは最初は地味で冴えない感じだったのが、歌いだすとともに洗練されていくのが見事でした。
「霜花店」 ★★★☆
結構良かったですよ。王朝絵巻を再現したような豪華絢爛な映像も、戦闘シーンもエキストラシーンも見事だし、焦点を王と近衛長官と王妃に絞って彼らの心情を丁寧に描いているので話が散漫になってないところがいいです。ベッドシーンは18禁になっただけはありますが、それがちっとも不自然じゃありません(サービスショットという感じはなく必然性があった)。チョインソンもチュジンモもソンジヒョもがんばりました。
「われらはアクション俳優だ」 ★★
去年のチョンジュ国際映画祭で上映されていたのに観はぐってしまったので、観たかった作品です。チョンドゥホンが主催するアクションスクールで修行をするアクションスターの卵たちを追ったドキュメンタリー。家庭用ビデオのような映像なのですが、題材が面白い。「相棒」や「カンチョルジン」といった映画のアクションシーンが出てきます。でも字幕ナシでナレーションの内容がわからないのはちと辛かったです。
「恋人たち」 ★★☆
インディーズ映画の雄と呼ばれているキムジョンクァン監督の短編を集めた作品。1人の監督の短編集が1本の映画として一般公開されるのはめずらしいそうです。内容はというと、ロマンスものあり、ほのぼの系あり、社会的風刺ものありとバラエティに富んでました。"ポスト・ホジノ"とも"韓国の岩井俊二"とも呼ばれているキムジョンクァン監督だけあって、映像が美しかったです。その中で「ヨンジェを待って」という作品は日本人の女の子が主人公でそのモノローグが日本語なのがうれしかった。しかも“彼女をいつも待たせる”ヨンジェが、お気に入りのキムヨンジェだったんだもん。キムヨンジェは40編以上の短編に出演しているらしいのですが、短編って観る機会が滅多にないので、ここで観られて良かったです。
「インディアニメボックス-セルマのタンパク質コーヒー」 ★★☆
「ウォンテッド」、「武林一剣の私生活」、「愛はタンパク質」という短編アニメ3本立て。「ウォンテッド」はブラックコメディ、「武林・・・」は脱力系コメディ、「愛は・・・」もコメディ。3本とも内外の映画賞を受賞しただけあって、なかなかでした。
「リトン」 ★★
気がつくと見知らぬ浴槽の中で血まみれになっていた。自分が誰でどうしてそこにいるか全くわからない・・・というシーンから始まる、緊張感あふれるサスペンス。冒頭のシーンで以前に観たことがわかりました。だから驚愕のオチもわかっています。暗ーい映像でグロいシーンがてんこ盛りなので、観るのをやめようかと思ったけど私1人のために上映してくれていたので、がまんして鑑賞。ホラー・サスペンスの好きな人だけにお勧めします。
「私の親友、彼の妻」 ★★
一昨年のプサン国際映画祭でお披露目され、やーっと一般公開された作品。お気に入りのパクヒスンとチャンヒョンソンという演技達者の俳優が主演しているのでぜひ観たかった作品です。2人の演技はさすがだったけど、サスペンス仕立てなのになーんかスピード感がないのよねぇ。映像もオーソドックスです。ストーリーに納得がいかない部分が何箇所かあってイマイチのめりこめませんでした。
「少年、少年に会う」 ★★
昨年のプサン国際映画祭でお披露目された短編。上映時間は35分ですが、本編は13分であとはメイキング&インタビュー。本編も途中で天使に扮するイエジウォンが歌って踊って背景にアニメが入るMV的な挿入シーンやエンドロールを除くと、実質6~7分ってところでしょうか。高校生の男の子2人の出会いを描いたクィア・ムービーです。といってもどぎついシーンはまるでなし。ドラマ「思い切りハイキック」でブレイクしたキムヘソン君がかわいい(水色のダッフルコートが似合いすぎている!)。