リビューの186本目は「師の恩」です。昨年夏に公開されたホラーで、苦手なジャンルなため長らくDVDを積んだままにしてました。
師の恩
2006年作品
監督:イム・デウン
出演:オ・ミヒ、ソ・ヨンヒ、ヨ・ヒョンス
イ・ジヒョン、イ・ドンギュ、パク・ヒョジュン
【ストーリー】海岸沿いに立つ景色のよい家で、殺人事件が起こる。地下室で複数の男女が猟奇的に殺されており、生き残ったのはこの家の持ち主でかつて教師だったパク・ヨオク(オミヒ)と、その教え子で今は彼女の世話をしているミジャ(ソヨンヒ)。意識のまだ戻らないパク先生の手を取り涙を流すミジャに、マ刑事(キムウンス)は事情を問いただす。日に日に衰えるパク先生を喜ばせようと、ミジャはかつてのクラスメートたちを招いたのだった。先生が格別に目をかけていたミョンホ(イドンギュ)、学級委員と副学級委員だったセホ(ヨヒョンス)とウニョン(ユソラ)、サッカー選手志望だったダルボン(パクヒョジュン)、昔は太っていたスニ(イジヒョン)、クラスでも目立たなかったジョンウォン(チャンソンウォン)。みなパク先生への恩を口にするが、そこには白けた雰囲気が漂う。実は、彼らはみな、かつて先生からひどい仕打ちを受けており、復讐を心に秘めていた。パク先生にも、奇形児を生み、そのために夫が自殺したという暗い過去があった。
【感想】こんなホラーを観ると、ホラー映画の存在意義について考えてしまいます。怖がるために映画を観る人の気持ちが分からないなぁ。ストーリーは、教え子たちの先生に対する復讐心と奇形児として生まれた子の怨念が絡み合い悲惨な結果を向かえるというものです。最後にどんでん返しがあり、それは確かに鮮やかですが、そこに至るまでの過程があまりにも醜い。思わず目を背けたくなるグロいシーンも何度も出てきます。演じるのは若手実力派と目されている面々。その中でもソヨンヒが物語のカギとなる女性を熱演していて光ってます。イドンギュも先生からの偏執な愛情を受けたことが原因で精神に異常を来たしている若い男を好演してます。その他、ヨヒョンス、イジヒョン、パクヒョジュン、チャンソンウォンなど、若手ががんばり、オミヒもベテランらしい落ち着いた演技を披露しています。でもねぇ、なにせ救いがないからなぁ。観終わって、どよーんと暗くなってしまいました。ホラーでもいい作品だと何か心を打つものがあるんですが。ということで、本作品はホラー好きの方にのみおすすめします。
【なあご的おすすめ度】 ★☆