リビューの160本目は7月15日からシャンテシネ他でロードショウされる「奇跡の夏」です。
アンニョン、兄ちゃん(邦題:奇跡の夏)
2005年作品
監督:イム・テヒョン
出演:パク・チビン、ペ・ジョンオク、
パク・ウォンサン
【ストーリー】9歳のハニ(パクチビン)はワンパクでいたずら好き。彼の一番の仲良しはやさしくて頼りがいがある3歳年上の兄ハンビョル(ソテハン)だ。ところが、そのハンビョルが倒れ、病院で脳腫瘍と診断される。手術が終わり一旦は帰宅したハンビョルだが、闘病生活は続く。夏休みにどこにも連れて行ってもらえなかったハニはいたずらを咎める家族に反発し、腹いせに禁止されていた兄のタオルを使ってしまう。その晩、病状が急変して病院にかけこんだ家族を家で待つハニは自責の念に駆られる。結局ハンビョルは再入院になり、病室で同じ病気をもつウクと仲良くなる。ハニはお兄ちゃんをとられたようで面白くない。ついには病院でその不満を爆発させてしまう。
【感想】久しぶりに映画館で大泣きしました。ハンビョルの症状に気付かなかった自分を責める母親と父親、辛い闘病生活を続ける兄、彼を勇気付けようとする弟。序盤からもう涙モード全開です。ただ思ったよりベタに感じないのは、闘病によって引き起こされる家族内の軋みや経済的な困難など、他の難病モノでよく扱う問題をさらりと流してるからかもしれません。その代わりに同じ病気を持つ少年ウクとの友情ストーリーを加えています。そして奇跡の演出に仙人のような“ターザンおじさん”を登場させてファンタジックに仕上げてあるところもユニーク。結末も希望のあるもので、単なる難病モノというよりは、ハニの成長物語になっています。
パクチビン君は「家族」の時から注目していましたが、本作でも生活の変化に戸惑うハニを上手に演じて観客の涙を誘います。もちろんハンビョル役のソテハンも、ウク役のチェウヒョクも、お母さん役のペジョンオクも、ウクの母親役のオジヘもいい。そしてクセのある役を多く演じてきたパクウォンサンが演じる普通のお父さん、これがまたいいんだなぁ。とにかくよく出来た作品ですので、どうぞ1度ご覧になってみて下さい(個人的には吹き替え版より字幕版がおすすめです)。
【なあご的おすすめ度】 ★★★☆
【おまけ】6月26日の「奇跡の夏」特別試写会には主演のパクチビン君も登場しました。生で見るチビン君は普通の男の子でした。撮影で苦労したのは雨の中で自転車に乗るシーン、今回の来日で行きたいところはディズニーランドだそうです。原宿や渋谷じゃないところが子供っぽくていいですよね(笑)。
Cinema Topics Onlineに試写会の記事が載ってました。詳しくは
こちら。
シネトレにも記事が。
【おまけ2】パクチビン君、来日は2度目で前回は札幌でMVの撮影だったとか。そのMV、イスヨンの「花々は散り」は映画「鉄道員(ぽっぽや)」を撮影した雪の幌舞駅が舞台です。
DaumのMVのページから歌手名이수영または曲名꽃들은지고で検索すれば見つかります。イジョンスも登場してます。