たまにはメジャーな作品もということで、今回のリビューはハンソッキュ・イウンジュ主演の「スカーレット・レター」です。日本でも2005年5月に公開されたのでご覧になった方も多いと思います。
スカーレットレター
2004年作品
監督:ビョン・ヒョク
出演:ハン・ソッキュ、イ・ウンジュ、
ソンヒョナ、オムジウォン
【ストーリー】刑事のギフン(ハンソッキュ)は従順な妻スヒョン(オムジウォン)がありながら、その友人でジャズシンガーのカヒ(イウンジュ)との情事も楽しんでいる。そんなギフンに写真館主人殺害事件が舞い込む。第一発見者の妻キョンヒ(ソンヒョナ)をマークしていた捜査班は、彼女がチンピラに大金を渡しているところを目撃する。ギフンは彼女が浮気が原因で及んだ犯行と疑うが、彼女はなかなか口を割らず、事件はますます混迷を深める。妻の妊娠をきっかけに、カヒとの距離を置こうとしたギフンだが、彼女との情熱的な情事はあまりにも魅力的で、避けることさえできない。悪いことにカヒまでもが妊娠してしまう。
【感想】衝撃作です。ハンソッキュも「2重スパイ」の後にこの作品を選択するなんて骨太だなぁ。特にトランクのシーン。初めは状況を楽しんでいた2人が極限状態にまで追い込まれて錯乱するに至る描写はすごすぎます。ハンソッキュもイウンジュもその演技には神気迫るものがありますね。背徳の代償がこれかぁ。ギフンはよく狂わなかったなぁ・・・。このシーンがあまりにもグロいので、後味が悪いし、繰り返し観る気にはならないですね。とは言え、ラストをわかった上で観なおすと複線や殺人事件との絡みも良くわかり、なかなかの力作だと感じます。登場人物の性格をちょっとした仕草や言葉遣いで表現するなど、人物の描き方がしっかりしてるんですよ。イウンジュの歌、オムジウォンのチェロ演奏も違和感なし。丁寧に作られている感じですね。映像もなかなか新鮮。題名となったナサニエル・ホーソンの小説「緋文字」は読んでないのですが、キリスト教の倫理観念が色濃く反映されている作品だなぁと感じました。ただやっぱりズシンとくるシリアス作品は個人的に苦手だな。ギラギラしたハンソッキュもセクシーで嫌いじゃないけど。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆