リビューの75本目は、イミヨンが青龍賞を受賞した「魚座」です。
魚座
2000年作品
監督:キム・ヒョンテ
出演:イ・ミヨン、チェ・ウジェ
【ストーリー】レンタルビデオ屋の店長エリョン(イミヨン)はだれにでも親切に接するやさいい性格だが、実は29歳になる今も彼氏がいない孤独な都会の女性。ある日、彼女は客として来店したトンソク(チェウジェ)と親しくなる。彼はビデオ屋の近くに住むシンガーソングライター志望の青年で、店のTVを修理したことがきっかけでエリョンに夕食に誘われ、お礼として腕時計をプレゼントされる。そのお返しに彼は自分で作詞作曲したラブソングをプレゼントするが、エリョンはそれに愛を感じる。エリョンは勇気を出してトンソクに告白するが、彼にはヒスという昔からのカノジョがいた。ヒスがアメリカから帰国し、ヨリを戻したトンソクはエリョンの愛を重荷に感じて彼女を避けるようになる。しかし、それとは反対にエリョンの思いはつのるばかり。トンソクを待ち伏せしたり、しつこく電話したり、挙句の果てにはアパートに忍び込んだり、携帯電話の暗証番号を突き止めてメッセージを盗み聞きしたりするようになる。
【感想】「恋愛中毒」で日本でもお馴染みのイミヨンが、都会に住む孤独な女性の渇きや悲しみ、やるせなさをよく表現しています。ただ青龍賞主演女優賞受賞ということで、もっと壊れた演技を期待していたのですが、そうでもなくて、イメチェンという感じではなかったです。ストーリー的にももっとドロドロの愛憎劇を想像していたら、思ったより淡々としてました。その分主人公の孤独感やかなしさが胸にせまるんですけどね。お相手のチェウジェは新人ということで、演技はまだまだ上手いとはいえませんが、独特の雰囲気を持っているのがいいです。シンガー役としての歌も合格点。うん、次回作を観てみたくなります。それにしても、人を本当に好きになるとあんなに執着してしまうもんなんでしょうか。つのる相手への思いをどうすることもできなくて、結局悲劇的な結末に至る主人公に、イマイチ感情移入が出来ないんですよ。かわいそうとは思ってもね。まあ、元気が出る作品ではないですけど、そんなに難しい作品でもないので、1度ご覧になってみるのもいいかもしれません。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆