リビューの67本目は、予告通りチソン主演の「口笛姫」です。
口笛姫
2002年作品
監督:イ・ジョンファン
出演:チ・ソン、キム・ヒョンス
【ストーリー】平壌舞踊団のダンサーとして来韓したジウン(キムヒョンス)は、実は北朝鮮指導者の娘。帰国すれば有望な核物理学者との結婚も決まっている。ヨーロッパに留学し自由奔放なジウンは帰国前に最後の自由を謳歌しようとホテルを抜け出す。それを知った北側は韓国側と協力して彼女の保護にあたる。実は南北の融和ムードの高まりを危惧するアメリカCIAが彼女の暗殺をひそかに計画していた。そんなこととはつゆ知らず、ジウンは飲み屋で知り合ったノーフェイスというバンド仲間と意気投合して、そのリーダー、ジュノ(チソン)のところに転がり込み、ロックフェスティバルでの優勝を目指すノーフェイスのマネージャーを引き受ける。初めはジウンを嫌っていたジュノだが、彼女のストレートな感情表現と時折見せる悲しげな表情に惹かれていくのだった。
【感想】北の女性と南の男性の悲恋は「シュリ」や「JSA」など、多くの映画で取り上げられていますが、それを軽いラブコメ仕立てにしたのがこの映画のミソ。それに宿敵同士だった韓国国家情報院エージェント(パクサンミン扮)と北朝鮮工作員(ソンジル扮)が協力してCIAに対抗するという点もユニーク。私、この映画の隠れた主役はソンジルじゃないかなと思うんですよ。それほど彼の演技は印象深かったです。ジウンを子供の頃から世話している「爺や」的な存在で、彼女を命がけで守ろうとする姿が素敵でした。パクサンミンはちょっとドジなエージェントなんですけど、これが意外と笑えない。やっぱり彼は「TUBE」の犯人役のようなクールな役が合ってる気がします。ロックバンドのリーダーを演じたチソンはドラマの貴公子的なイメージとは違ってワイルドな感じ。今よりもちょっとふっくらしてますが、でもカッコイイ。ただ演技は可もなく不可もなくという程度かな。ジウン役のキムヒョンスも同様で、観客を惹きつけるだけのカリスマ性は感じられませんでした。まあ、跳ね返り娘をかわいく演じてはいるんですけどね。全体的には、コメディ仕立てであれば、もうちょっと笑わせてほしかったです。そして最後の銃撃戦がリアルで浮いてる感じがしました。そう、どっちつかずなのよ。だからラブコメとかメロとかハートウォーミングとか決まったジャンルの作品として観なければ結構感動できるのかもしれないなぁ。
【なあご的おすすめ度】 ★☆