リビューの221本目は「美人図」です。日本に買われたとの報道があったので、いつか日本の映画館で日本語字幕付で観られるかもしれません。
美人図
2008年作品
監督:チョン・ユンス
出演:キム・ミンソン、キム・ヨンホ
【感想】代々宮廷絵師を輩出してきた家に生まれたユンジョン(キムミンソン)は、兄ユンボクが夭逝したため、家門の繁栄のためにユンボク、つまり男としてとして宮廷絵師養成所に入る。師匠のキムホンド(キムヨンホ)はユンボクの才能を高く買っており、経験を積ませるために市井に彼女を連れ出す。鍛冶仕事、結婚式、水浴びをする女たち、男女の秘め事など、市井の人々の自由で闊達な姿に感銘を受けたユンボクは、それを精巧な筆で生き生きと描き出す。案内役のカンム(キムナムギル)ははからずも川に落ちてずぶぬれになったユンボクの姿を見て、彼女が女だと気づく。市井の様々な場所を訪ね歩くうちに2人はいつしか恋に落ちる。その頃、宮廷画壇ではユンボクの風俗画が不道徳であるとの批判が高まっていた。
【感想】韓国ではヒットした作品なんですけど、なーんか心に響いてきません。
ヒロインに共感できなんです。彼女の苦悩が伝わってこないし、彼女がなぜ性の描写にそこまでこだわったのかもいまいち理解できませんでした。キムミンソンン、体を張って男装の麗人を演じているんですけどね。キムホンドの苦悩のほうが共感できるかも。キムヨンホが安定した演技で彼を演じていて、さすがと思いました。キムナムギルもかっこいい。ただねぇ、後半の展開がコテコテなのはちょっといただけないなぁ。「ベサメムーチョ」「波浪注意報(僕の、世界の中心は、君だ)」のチョンユンス監督らしいっちゃらしいんだけど。ただ、風景が美しいし美術も凝っていて、お金をかけてちゃんと作っている感じがするので、決して観て損というわけではないです。この作品、日本で公開になるかもしれませんが、夜の薄暗いシーンが多いので、DVDで観るよりは映画館で観ることをお勧めします。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆