リビューの220本目は、「アパート」や「バカ」でお馴染み、カンプルのインターネット漫画が原作の「純情漫画」です。カンプル原作の映画は当たらないっていうけど、この作品も興行的にコケちゃいました。
純情漫画
2008年作品
監督:リュ・ジャンハ
出演:ユ・ジテ、イ・ヨニ
【ストーリー】区役所で働くヨンウ(ユジテ)は真面目で優しい青年。早くに両親を失くし、30歳の今まで1人で暮らしてきた。新しく引っ越してきたアパートでヨンウは女子高生スヨン(イヨニ)と知り合う。 “スヨンさん”、“アジョシ(おじさん)”と呼び合う2人はやがて12歳の年齢差を越えて少しづつ親しくなってゆく。スヨンはヨンウに真っ直ぐに思いをぶつけてくるが、ヨンウはそれを受け止められない。一回りも年下で未成年の彼女と付き合うことに後ろめたさを感じていたのだった。
一方、公益勤務でヨンウと同じ職場で働くスク(カンイン)は地下鉄の駅で美しくそしてどこか謎めいた女性ハギョン(チェジョンアン)に一目ぼれする。猛烈に彼女にアタックするスクだったが、ハギョンはなかなか心を開かない。彼女の注意を引こうとおどけてみせるスクに、ハギョンは忘れられない元カレの話を始める。
【感想】年齢差のある2組の男女の物語です。メインはユジテとイヨニのカップル。ユジテは生真面目で悪いことができない30男を繊細に演じています。ださいユジテもまたオツです。イヨニは女子高生を等身大で演じています。2人の間には年齢差という障害があるものの、韓流ドラマのようなドラマチックな展開はなく、ストーリーは淡々と進みます。このへんは「花咲く春が来れば」のリュジャンハ監督らしいけど、その分スピード感ももどかしさもイマイチ。もっとヨンウのクソ真面目さを笑いにしても良かったかもしれません。2組のカップルのコントラストが鮮明ではないのも惜しい気がします。漫画の世界観を実写映像で表現するのは難しいのかしら。映像的には大部分をハンドカメラで撮影し、その微妙な揺れで登場人物の心の揺れを表現してるんですけどね。まあ、これでもか!と心を揺さぶりにかかる激しい作品を観た後に、ホッとひといきつくのに観るにはいいかもしれません。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆