韓国俳優ファイルとして、今までにお気に入りの映画俳優を取上げてきましたが、今回は舞台俳優を紹介します。このブログでも何度か名前が出ている、劇団コルモッキルのキムジュワンです。
キムジュワンは映画には出演していませんが、今、大学路(=演劇界)で注目されている若手俳優の1人です。といっても32歳で舞台キャリアは8年、今やコルモッキルの看板役者といっても過言ではありません。出演舞台は今年上半期だけでも5公演!しかも全て主役です。私はそのうち「あまり驚くな」「青春礼讃」「こんな歌」の3つを鑑賞したのですが、どれも印象的でした。コメディからシリアスモノまで幅広くこなし、しかも役をしっかり消化しているんです。聞くところによると、劇団を主宰し脚本と演出をこなすパクグニョンは、脚本を仕上げるのが遅いとか。その割には新作を初日に観ても、しっかりと役を作っていてセリフもほとんとカンでいません。すごいと思います。ほとんど毎月のように舞台に立っているのもすごい。
トップ写真ではかわいく写ってますが、実物はもうちょっと個性的な顔立ちです。そして小柄で細身。演技はオーバーアクション気味で、とにかくよく動きます。観客にどっどっと迫ってくる激しさがあるんだけど、軽さもあって、あまり威圧感を感じません。むさ苦しいけどどこかかわいい。なんとも独特なカラーを持っています。クセのある役が似合う彼は、エキセントリックな人物や破滅型の男、不条理に振り回される小市民なんかを演じるとピカイチです。若い頃の市村正親にもうちょっと愛嬌と軽さを足した感じでしょうか。
(写真は「あまり驚くな」。慢性便秘に悩む引きこもり男を演じました)
全州で高校に通っている時に「道去る家族」という芝居を観て役者になることを決心した彼でしたが、家族の反対にあい、家出同然で友人に入学金を借りてソンイル大学演劇映画学科(パクヨンハと同じ!)に進学しました。2002年「カラグラ1237号」で舞台デビュー。2007年から劇団コルモッキルで活動しています。
これからも色々な役にどんどん挑戦して演技を磨いてほしいです。そしてそのうちに映画にも出てほしいなぁと密かに期待している役者さんなのでした。
訪韓される予定のある方は、コルモッキルの舞台を観る機会を作って、ぜひ彼をチェックしてみてね。
キム・ジュワン
劇団コルモッキル所属
出演舞台:「ハムレット」「ぺドラの愛」「あまり驚くな」
「青春礼讃」 「レジスタンス」「こんな歌」
「マラー、サド」他
プロフィール:全州出身
ソンイル大学演劇映画学科
32歳