韓国映画リビューその219は「リメンバーミー」のキムジョングォン監督の「その男の本198ページ」です。
その男の本198ページ
2008年作品
監督:キム・ジョングォン
出演:ユジン、イ・ドンウク
【ストーリー】市民図書館で働くウンス(ユジン)はある日、本のページを次々に破る若い男を見つけて捕まえる。その男ジュノ(イドンウク)が図書館でひきつけを起こした利用者を助けたことから親しくなったウンスは、彼が愛する女性ミンギョンが書いた「私の気持ちはその本の198ページにあります」というメモを頼りに“その本”を探していることを知り、それ協力することにする。ミンギョンは読書家で借りた本が多く、その本探しは難航する。ウンスはジュノに、登録されているチュンチョンの住所に彼女を訪ねてはどうかと提案する。
【感想】映像も音楽もストーリーもやさしく穏やかな作品です。特に風景が美しい。英語タイトル“ハートブレイク・ライブラリー(失恋図書館)”が示す通り、図書館を舞台に失恋した男女が徐々に心を通わせていく物語。でもロマンスというよりは、その前段階の失恋の克服プロセスを描いているので、主人公2人のラブストーリーを期待すると肩透かしをくらうかも。しかも淡々としたストーリー運びやオーソドックスな映像は、スピード感があるハラハラドキドキのラブストーリーやコテコテのメロが好きな方には物足りないかもしれません。だって主人公たちはキスさえしないんだもの。でもたまにはいいですよ、こんな作品。主演のユジンとイドンウクは演技はそれほど上手いとは思いませんが、フレッシュ感があります。キジュボンやコスヒ、イジェヨン、チョドッキョンなど味のある役者がワキを固めているのもいいです。低予算で撮ったということがわかる作品で、好みによって評価は分かれると思いますが、私はそこそこの出来だと思います。
【なあご的おすすめ度】 ★★☆